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残業中でも休憩をとることはできる? 労働基準法での規定

2024年03月19日
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残業中でも休憩をとることはできる? 労働基準法での規定

2021年度(令和3年度)に岐阜県内の労働基準監督署が監督指導を行った730事業場のうち、違法な時間外労働があったものは243事業場でした。

労働基準法では、休憩時間に関するルールが定められています。また、残業時間中であっても、労働基準法や就業規則の定めに従って、休憩をとることができる場合があります。

本コラムでは、労働基準法における休憩時間の基本ルールや、残業中に休憩をとることの可否などについて、ベリーベスト法律事務所 岐阜オフィスの弁護士が解説します。

1、労働基準法における休憩時間の基本ルール

まずは、労働基準法における休憩時間の基本的なルールを解説します。

  1. (1)休憩時間は労働時間の途中に与えなければならない

    休憩時間は、労働時間の途中に与えなければなりません(労働基準法第34条第1項)。

    <適法な例>
    9時から18時を勤務時間とし、そのうち12時から13時の1時間を休憩とする

    <違法な例>
    出勤時間を1時間遅らせることで休憩の代わりとする
    1時間早く退勤を認めることで休憩の代わりとする


  2. (2)休憩時間の基準

    休憩時間の基準は、実労働時間に応じて以下のように定められています。

    1. ① 6時間以内の場合
      →休憩をとらなくても問題なし

    2. ② 6時間超8時間以内の場合
      →45分以上

    3. ③ 8時間超の場合
      →1時間以上


    たとえば1日の所定労働時間が8時間の場合、残業がなければ、45分以上の休憩時間を付与すれば足ります。
    しかし1分でも残業がすれば、60分以上の休憩時間を付与しなければいけないのです。

  3. (3)休憩は一斉付与が原則|ただし労使協定による例外あり

    休憩時間は、原則として事業場の労働者(従業員)全員に対し、一斉に付与する必要があります(労働基準法第34条第2項)。

    ただし、使用者と労働者の過半数の代表(※)の間で労使協定を締結すれば、休憩時間を分散して付与することもできます。
    ※事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があればその労働組合、なければ事業場の労働者の過半数代表者となります。

  4. (4)休憩時間は自由に利用させなければならない

    休憩時間は、労働者の自由に利用させなければなりません(労働基準法第34条第3項)。

    「自由に利用」とは、労働者が会社の指揮命令から完全に解放されている状態を意味します。
    休憩という名目でも、会社から作業を指示されている場合や、業務が発生すれば対応することが求められている場合には、休憩時間として認められません。

    <労働時間と評価される時間の例>
    • 朝礼の時間
    • ランチミーティングの時間
    • 制服に着替える時間
    • 電話番をしている時間
    • 手待ち時間

2、残業中でも休憩はとるのか?

残業中に休憩をとれるかどうかは、労働基準法や就業規則に従って判断されます。

  1. (1)労働基準法・就業規則の定めに従い、休憩をとることができる

    所定労働時間中にとった休憩が労働基準法の基準に満たない場合は、不足分について残業中に休憩をとることができます。

    たとえば所定労働時間が7時間半、休憩時間が別途45分の労働者が、1時間残業をしたとします。
    この場合、実労働時間の合計が8時間半となるため、労働基準法に従って1時間以上の休憩を付与しなければなりません。
    したがって、労働者は、不足する15分間の休憩を残業中にとることができます。

    また、就業規則において、労働基準法の基準を上回る休憩が認められていれば、その定めに従って残業中に休憩をとることもできます
    たとえば「残業2時間ごとに15分の休憩を付与する」と就業規則に定められていれば、労働者は、その定めに従って休憩をとることができます。

  2. (2)自分の判断で休憩をとってよい場合もある

    トイレに行く時間など、不可避的に発生する離脱の時間は、合理的な範囲であれば労働時間に含まれると考えられるので、残業中も労働者自身の判断でとることができます。

    また、専門業務型裁量労働制(労働基準法第38条の3)・企画業務型裁量労働制(同法第38条の4)で働く労働者については、みなし労働時間制が適用されるため、残業中の労働時間と休憩時間の区別がありません。
    したがって、各裁量労働制で働く労働者も、残業中に自身の判断で休憩することが可能です。

    さらに、管理監督者(同法第41条第2号)や高度プロフェッショナル制度(同法第41条の2)で働く労働者などについては、労働時間や休憩に関する規定が適用されません。
    したがってこれらの労働者も、残業中に自身の判断で休憩をとることができます。

  3. (3)判断が難しければ上司などに相談を

    労働基準法や就業規則を確認しても残業中に休憩をとってよいかどうか判断が難しいという場合は、上司などに相談してみましょう。

    上司の承認を受ければ、残業中の休憩が後で問題になる心配はありません。
    また、自身の働き方や休み方を会社に理解してもらいやすくなるでしょう。

    休憩を相談したときに上司や同僚から不適切な対応を受けた場合の対処方法は、次の項目で紹介します。

3、長時間残業中に休憩時間が設けられない場合の対処法

以下では、長時間にわたって残業しているにもかかわらず、休憩なしで働き続けることを求められた場合の対処法を解説します。

  1. (1)会社に改善を求める

    可能であれば、上司を通じて上層部に伝えるという方法や、人事部に相談するという方法で、会社に直接、改善を求めましょう。

    休憩なしでの残業がいかに過酷であるかを伝えれば、就業規則の見直しなどを検討してもらえるかもしれません。

  2. (2)労働基準監督署に相談する

    休憩時間が労働基準法の基準に満たない場合には、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署に相談することもできます。

    労働基準監督署には、労働基準法違反の疑いがある事業場に対して臨検(立ち入り調査)を行い、違反が発見されれば行政指導や検察官送致(送検)を行う権限があります。
    会社が労働基準監督署から指摘を受ければ、労働基準法違反の状態が是正されることが期待できるでしょう。

  3. (3)弁護士に相談する

    休憩時間に関する実態があまりにもひどいときは、弁護士を代理人として会社に法的な請求をすることも選択肢になります。

    労働基準監督署とは異なり、弁護士は労働者の代理人として、会社に対して具体的な法的請求を行うことができます

4、会社とのトラブル・労働問題を弁護士に相談するメリット

会社とのトラブルや労働問題について弁護士に相談することのメリットは、以下の通りです。

  1. ① 労働者の代理人(味方)として対応できる
    労働基準監督署は、あくまで中立な立場から会社と労働者との間の問題に介入します。
    一方で、弁護士は常に労働者の側に立ち、労働者の権利の実現や回復を目指して対応します。

  2. ② 必要な時にいつでも相談できる
    代理人になった弁護士には、
    会社とのやり取りなどを進めていくなかで生じた疑問点も、相談できます。

  3. ③ 法的根拠に基づく主張ができる
    労働基準法や就業規則に違反した取り扱いがなされている場合は、正しい法的根拠に基づいて、会社に対して是正を求めることができます。

  4. ④ 会社との交渉や法的手続きでの一貫した対応を期待できる
    会社との交渉や労働審判や訴訟などの法的手続きについて、弁護士による一貫した対応が期待できます。

5、まとめ

会社は、労働者に対して、労働時間に応じた休憩時間を付与しなければなりません。
しかし、勤怠管理が不適切な会社では、労働基準法に従った休憩時間が付与されていない可能性があります。
不十分な休憩時間しか与えられず、会社がまともに対応してくれないという方はぜひ、弁護士に相談することを検討してください。

ベリーベスト法律事務所では、会社とのトラブルを抱えた労働者の方からのご相談を随時、受け付けております。
長時間にわたって残業しているにもかかわらず、十分な休憩が与えられずに悩んでいる労働者の方は、まずはベリーベスト法律事務所にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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