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労働審判の費用・期間や、弁護士相談で準備することをご紹介

2022年10月31日
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労働審判の費用・期間や、弁護士相談で準備することをご紹介

裁判所が公表している司法統計によると、令和3年に岐阜地方裁判所に申し立てのあった労働審判の件数は、31件でした。

会社のトラブルには、不当解雇、未払い残業代請求などさまざまなものがあります。会社との話し合いでトラブルが解決することができない場合には、訴訟を検討する方も多いと思いますが、その前に「労働審判」という手続きを利用してみるのも問題解決にあたっての有効な手段となります。

この労働審判とはどのような手続きで、どの程度の費用・期間がかかるのでしょうか。今回は、労働問題を解決する手段のひとつである、労働審判について、ベリーベスト法律事務所 岐阜オフィスの弁護士が解説します。

1、労働審判とは

労働審判とはどのような手続きなのでしょうか。以下では、労働審判の概要と特徴について説明します。

  1. (1)労働審判の概要

    労働審判とは、労働者と会社との間に生じたトラブル(不当解雇、未払い残業代、給料の不払いなど)を解決することができる裁判所の手続きです。労働審判には、裁判官1名と労働審判員2名が関与して手続きを進めてくれます。

  2. (2)労働審判の特徴

    労働審判を利用することによって、以下のようなメリットが得られます。

    ① 迅速な解決が可能
    労働問題を訴訟で解決する場合、通常であれば1年前後の期間が必要になり、複雑なケースではそれ以上の期間を要するものもあります。しかし、労働審判は、原則として3回以内で終えることになっていますので、訴訟に比べて迅速な解決が期待できます。

    ② 調停と審判
    訴訟では、裁判官が労働者側と会社側双方の主張立証を踏まえて、判断を下すことになりますので、「白か黒か」という二者択一の判断となります。

    しかし、労働審判では、まずは調停という話し合いの手続きが行われます。話し合いによる解決では一般に、判決よりも柔軟な解決を図ることが多く、分割払いや支払いに一定の条件が設けられることもあります。

    審判になると、裁判官と労働審判員がそのときに調査した事実をもとに、審判を出します。証拠や労働審判期日で当事者及び関係者が語った陳述内容に基づいて事実認定を行いますので、この時点で示される裁判所の判断は、実質的に判決の前倒しのようなものになります。ただし、後述のように、審判に不服がある一方当事者が異議を申し立てると、審判には拘束力が生じないので、審判の紛争解決力は限定的なものに留まります。

    ③ 異議申立てにより訴訟手続きに移行する
    労働審判の内容に不服がある場合には、異議申立てをすることができます。異議申立てがなされた場合には、労働審判はその効力を失い、通常の訴訟手続きに移行することになります。

2、労働審判にかかる費用

労働審判を利用する場合には、以下のような費用がかかります。

  1. (1)申し立て費用

    ① 印紙代
    労働審判の申し立てをする場合には、裁判所に手数料を納めなければなりません。手数料は、収入印紙によって納めることになりますので、印紙代がかかります。

    印紙代の金額は、労働審判で請求する金額によって異なりますので、裁判所が公表している「手数料額早見表」を参照するとよいでしょう。たとえば、100万円の残業代を請求する場合の印紙代は5000円、解雇の無効を求めていく場合、非財産権上の請求をするものとして、訴額が160万円とみなされますので、印紙代は6500円となります。

    ② 予納郵券代
    予納郵券代とは、裁判所から当事者に郵便物を送付するために必要となる切手代です。申立時に、申立人が切手を納めて、事件終了時に余りがあれば返却されます。

    予納する切手の組み合わせや金額は、裁判所によって異なりますので、申し立てをする裁判所に事前に確認してみるとよいでしょう。
  2. (2)弁護士費用

    労働審判を弁護士に依頼して行う場合には、以下のような弁護士費用がかかります。

    ① 相談料
    弁護士に労働問題に関する法律相談をする場合には、相談料がかかります。

    弁護士事務所によっては、相談内容により初回の法律相談を無料で行っているところもありますので、相談料の負担を抑えたいという場合には、無料相談を実施している法律事務所を選択するとよいでしょう。

    ② 着手金
    弁護士に事件の依頼をした場合には、着手金という費用が発生します。着手金は、弁護士が事件に着手する際に支払う費用であり、事件の成果にかかわらず発生するお金です。

    なお、法律事務所によっては、着手金についても無料で対応しているところもありますので、弁護士に依頼する際の初期費用を抑えたいという場合には、着手金を無料としている事務所を選択するとよいでしょう。

    ③ 報酬金
    報酬金とは、弁護士に依頼をした事件が解決した時点で発生するお金であり、多くの場合、成功の度合いに応じて費用が変わってきます。たとえば、未払いの残業代請求を弁護士に依頼したものの、回収できた金額0円という場合には、弁護士に支払う報酬金も0円となるように報酬金を設定している事務所が多いでしょう。


    なお、ベリーベスト法律事務所での費用は、「弁護士の費用・料金」のページからご覧ください。

3、弁護士相談の前に準備するべきこととは

労働問題を弁護士に相談する場合には、以下のような準備をしておくとよいでしょう。

  1. (1)証拠の収集

    弁護士に相談をする際に必ず必要となるわけではありませんが、事前に証拠を集めておくことができれば、スムーズに相談を進めることができ、より効果的なアドバイスを受けることができます。

    たとえば、未払いの残業代を請求する事案であれば、以下のような証拠が必要となります。

    • 雇用契約書
    • 労働条件通知書
    • 就業規則
    • 給与明細
    • タイムカードト
    • 業務日報
  2. (2)時系列をまとめたメモの作成

    限られた法律相談の時間内で、弁護士に効率よく情報を伝えるためには、相談したい内容を時系列にまとめておくとよいでしょう。複雑な問題を言葉だけで伝えるのは難しいため、メモがなければ本題に入る前に相談時間が終わってしまうということもあります。

    登場人物をまとめた表や、箇条書きでもよいので出来事を時系列にまとめたメモがあれば、相談を受けた弁護士も問題点を理解しやすいといえます。メモを作成することによって、自分自身も相談する内容を整理することができますのでおすすめです。
    ただし、メモが多すぎてしまうと、メモを読んで終わってしまうことにもなりかねないので、登場人物の簡単な説明と、時系列をまとめたA4用紙1枚程度のメモを作成するのがおすすめです。

4、弁護士に依頼した後の流れ

弁護士に労働問題の解決を依頼した場合には、以下のような流れで事件の処理を進めていきます。

  1. (1)会社との交渉

    労働者から依頼を受けた弁護士は、労働者の代理人として会社との間で交渉を行うことができます。いきなり労働審判や訴訟をすることもできますが、話し合いで解決する余地があるのであれば、その方が解決までの期間や費用を少なく抑えることができますので、まずは話し合いでの解決を目指すことになります。

    会社との交渉によって合意ができた場合には、合意書を作成して事件は終了となります。

  2. (2)労働審判

    会社との交渉では解決することが難しい場合には、次の段階として、裁判所に労働審判の申し立てを行います。

    労働審判の申し立てに必要となる申立書の作成は、すべて弁護士が行いますので、ご本人の負担はほとんどありません。また、労働審判には、効果的な協議を行うために、労働者本人も出席することが望ましいですが、労働審判の期日には弁護士も同席しますので、労働審判委員会からの難しい質問に対しても、適切に回答できるようにサポートいたします。

    労働審判は、限られた期日の中で審理を行わなければなりませんので、効果的な主張立証を行っていくためには労働問題に精通した弁護士のサポートが不可欠となります。

    • 労働審判における調停
    • 労働審判でも、まずは合意による解決を目指すことになります。

      裁判外で行う交渉との違いは、裁判所の関与のもとで協議を行うことです。裁判所の関与があることで、相手方となる会社にも、誠実な応答を促すことができ、協議の結果として形成される合意内容も、公平な結論になることが期待できます。

      順調に手続が進行すれば、労働審判の第1回期日において合意がなされ、調停が成立するということも珍しくなく、労働審判の約7割は調停で終わるとも言われています。

      調停が成立した場合、合意した内容を記した調書が作られます。仮に、調停で合意した解決金が定められた支払期日までに支払われなかった場合には、解決金の回収の為に強制執行をかけることも可能になります。

    • 調停が成立しなかった場合
    • 労働審判委員会が間に入っても合意が成立しない場合、労働審判委員会が考える適切な条件での解決案が示されます。これを審判といいます。

      この審判に不服がある場合には、労働審判の口頭告知を受けた日又は審判書の送達を受けた日から2週間以内であれば異議申立てをすることができます。適法な異議申し立てがあった場合には、労働審判は効力を失い、訴訟手続きに移行します。一方、2週間以内に適法な異議申し立てがなかった場合には、労働審判は確定となります。

      公平な第三者の示した解決案であることに加え、労働審判委員会には裁判官も参加しているため不服申立てをして訴訟に移行させてもあまり結論は変わらないだろうとの考えから、審判に対して不服申立てがなされないことも多いです。

    • 労働審判にかかる期間
    • 労働審判の審理は、原則として3回以内の期日で終了しなければならないとされています。労働審判の期日は、1か月に1回のペースで開かれますので、労働審判の初回期日から労働審判が出るまでの期間としては、長くても3~4か月程度といえるでしょう。

      裁判所が公表している情報によると、平成18年から令和元年までに、終了した事件の平均審理期間は77.2日です。訴訟になって、本格的に手続を行うことになれば、解決まで相当な時間がかかることも十分に考えられます。それと比較すれば、労働審判を利用することによって、早期の解決が見込めることがわかります。
  3. (3)訴訟

    労働審判に対して、当事者のいずれかによって異議申立てがなされた場合には、通常の訴訟手続きに移行することになります。そのため、会社が徹底的に争う姿勢を示しているような場合には、労働審判の申し立てをしても時間の無駄になってしまいますので、労働審判の申し立てをすることなく訴訟提起をすることもあります。

    訴訟は、労働審判のような話し合いの手続きではなく、当事者が書面による主張と証拠による立証を行い、裁判官が事実認定を行うという手続きになります。訴訟では、手続き上のさまざまなルールがありますので、それらを正確に理解していなければ、適切に訴訟手続きを進めていくことは困難です。そのため、訴訟手続きは、弁護士に依頼をして進めていくことをおすすめします。

5、まとめ

労働審判は、訴訟に比べて柔軟かつ迅速な解決が期待できる手続きですので、当事者同士で話し合っても解決できない場合には、訴訟をする前に利用してみるとよいでしょう。ただし、労働審判では短期間に的確な主張を行う必要がありますので、より効果的な主張を行うためには専門家である弁護士のサポートが不可欠となります。

労働審判の利用をお考えの方は、ベリーベスト法律事務所 岐阜オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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